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recall project #6

[438]  ERROR  2009-10-09投稿
俺は掲示板の前に立つと決して良くはない視力で自分の名前を探した。なかなか見つからない……すると少し離れたところに俺の名前と思われる字形を見つけた。近寄るとその通り、自分の名前だった。
「5組か…」
そんなことを呟きながら今日の集合場所である教室へと歩いていった。
1−5の教室は2階にあった。すぐに見つけて、指定されている座席に座る。数人喋っているが、他は座りながら寝たり、ボーッとしている。教室にはシラけた空気が流れていた。まだ会って初日だから打ち解けてないのは当然だが、ここまで静かだと淋しい気もする。そういう俺も始業ベルが鳴るまでずっと顔を伏せていた。
キーンコーン……
聞き慣れたチャイムの音が流れる。始業ベルがなった。みんな各自の席に戻る。それから数分経って、先生が教室にやって来た。若干白髪が混じったやや短めの頭髪、顔立ちは凛々しく目力が強い。この人が俺達のクラスの担任を勤めるらしい。推測するに、40代後半くらいか?黒いスーツを纏っており、教卓の前に立つと出席簿のようなものを取り出して話始めた。
「えー、皆さん改めまして入学おめでとう。これから皆には放送があり次第体育館に向かってもらいます、はい。では出席を取っていきます。」
見た目からは想像できない穏やかな口調に多少驚きはしたが、俺は名前を呼ばれるのを待った。先生は1−5の生徒を一人一人呼んでいく。数分で全員呼び終わった。今日は全員出席だった。
「まだ時間があるようですね。ではそれまでに私の自己紹介でもしましょうか、はい。」
と言って先生は黒板の方を向き、名前を書き出した。
「私の名前ーはー……」
口での説明に書くスピードが追い付かず口調が自然にゆっくりになる。チョークで文字を書く音が教室中に響き渡る。
「宮垣 俊紀、みやがき としのりと申します、はい。担当は現代文ですね、はい。えー、年齢は52歳で、もう10年近くこの学校で現代文を教えています。これから一年間よろしく。」
数秒してから拍手が起こる。
ピンポンパンポーン
”新入生の諸君は担任の指示に従って、体育館に移動してください。繰り返します。新入生……”
「では、全員廊下に出て出席番号順に並んで下さい。」
宮垣先生の指示に従って生徒はぞろぞろ外にでる。そして、出席番号順に並んだ。

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