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いじわる先生 10 〜いじわる先生の計画〜

[430]  るー6  2009-10-12投稿
「先生…」
「こっから先は、お前が行ってこい。」
「……。」
幸輔は行こうとしない。すると香山先生はそっと幸輔の肩に手を置く。
「お前の…友達が、苦しんでるんだろ。」
「先生…」
幸輔は微かな声で先生を呼ぶ。
「オレは、ここで見てる。」
幸輔は、ゆっくり校舎の方へと歩いていった。
1歩、1歩。歩く毎に涙が出ていた。
なんか、香山先生の存在が、遠くなっちゃった気がしたんだ。
目から涙が溢れた。
視界がみるみる潤んできた。
でも、もう手の届かない所まで、離れたわけじゃないんだ。
涙を拭ったその時、
前方から、1人、女子が凄いスピードで走ってきた。「あれは…」
涼子だった。後ろにいた香山も気付いたのか、幸輔のもとへと走る。
「先生助けて!」
涼子は本気で頼っていそうだった。
「誰かに…追われてるの?」
幸輔は涼子に聞く。
「あの先生…とにかく助けて!」
涼子は2人の後ろに隠れる。
するとやがて、前から岩塚先生がやってきた。
眼鏡がやたらと光っている。幸輔からしてみれば不気味だった。
『…あいつか。いじ…いじわる先生って。』
香山は小声で幸輔に尋ねる。
『うん…』

「あっ…幸輔くん…久しぶり。」
「お…お久しぶり?でしたっけ。」
「涼子さん…見かけた?」後ろで怯えている涼子。
「涼子さんが…何かしたんですか?」
幸輔は自然と涼子をかばう。
「いえ。ちょっと話しておこうと思って。学級委員だしね。」
岩塚先生…もう分かっていたんだろう。
「幸輔くん…そこに隠れているのはまさか…。」
「いやぁぁぁぁあ!」
涼子は殺気を感じて一目散に逃げた。
2人はその後を追う。
誰もいなくなった。

いじわる先生の周りに。
「バーカ。」

その頃2人は涼子に追いついて話を聞いた。
「涼子…お前一体何したんだよ。」
幸輔は涼子に迫る。
「幸輔くんに話したって…分かるはずが」
幸輔はその言葉を遮った。「分かる!あいつは…表ではいい先生ぶってる。でも裏では生徒をいじめるいじわる先生だってこと。あの先生のせいで優太は変わったんだ。」
「私…その時の現場を写真で撮ったの。」
「えっ!?」
2人は驚きを隠せない。
「根性あるなぁ。」
香山は関心しているようだ。
「それで、その写真を神山先生に見せた。そして最終的に渡した。」
1つ、謎が解けた。

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