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ロストクロニクル8―6

[345]  五十嵐時  2009-10-16投稿
「小賢しいまねすんじゃねぇ!」
オキシーは自分の懐に潜り込んだフラットに向かって、戦斧をそのまま振り降ろした。
フラットはすかさず呪文を唱えるのを中断し、戦斧が振り降ろされる寸前に後ろへ退いた。
「へへへっ、逃げてばっかじゃ何も変わらないぜ?」
人差し指で挑発する。
「確かに・・・だけど、逃げられないのも困りますよね」
フラットは唇を少し緩めた。
「なんだと?」
オキシーは再びフラットに向かって駆け出そうとしていた。その瞬間、足が動かないことに気付いた。
「ガキが!ふざけたまねを!」
足下には複雑な図形の魔方陣が描かれていた。
「これで何もできない」
勝ち誇ったような眼差しを向けた。
「何もできないだぁ〜?てめぇ、何言ってんだ?後ろを見てみろゆ。ほら、てめぇの仲間の無惨な姿・・・」
オキシーは態度を豹変させた。残忍な眼差しがフラットの後ろに向けられる。
「なにだって!」
素早くオキシーの眼差しを追った。しかし、そこに見えたのは延々と続く砂浜だけだった。
「へへへ、この時を待ってたぜ!」
フラットは急いで再びオキシーの方を向いた。その瞬間、眩し過ぎる閃光が世界を包み込んだ。
「やっと隙を見せたか」「卑怯者!」
フラットは必死で目を押さえながら叫んだ。
「バーカ、海賊なんて、そんなものなのさ!」
閃光にたじろいだせいで、魔方陣が消えてしまったのか。フラットは後頭部に強い衝撃を受け、そのまま気を失ってしまった。

「俺の仲間たちは今迷子なんだ」
ウェドは赤の他人の男性を丸太のように担いでいた。その後ろには、先ほど海賊に襲われていた女性が着いてきていた。
「まぁ、適当に砂浜を歩いてたら・・・」
ウェドは遠くに二人の見慣れた人物を認めた。
「いたいた!おい!着いて来い!」
ウェドは砂浜の上を男性を担ぎながら駆け出した。

「おーい!タクトー、パールー」
見るとウェドが走ってきていた。
「ウェド!どこにいたんだ」
二人のもとにたどり着くと息を整えて、今までのことを二人に話して聞かせた。
「それで、言葉の通じない人を二人連れてきたのね」
パールがそう頷いた頃には既に日は傾いてしまっていた。
「フラットはどうした?」
ウェドが何気なく二人に聞いた。

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