ほんの小さな私事(120)
『ほう。そこの娘も己が声を聞く事が出来るのか。』
「いや…この子は多分、沙羅を通じて声を聞いているんだろう。この子からはそういった波長は感じられないからね。」
なつきさんがそう言いつつ指差したのは、私を心配して手を握っている、高野さんの手だった。多分、ここから、私を介して、黒猫の脳裏に響いてくる声が、高野さんにも伝わっているという事なのだろうか?
「まあ、なんにしても、色々と説明しないとならないのはあるネェ。ただ、まずはここの片付けをしなくちゃなんないし…あと、もう一つ、そこにある妖気の対処もしておかないと…。」
なつきさんは、そう言いながら、ポケットから、新たに数枚の紙切れを取り出し、部屋の奥に漂っている青い靄を見つめて構えを取った。その時。
「やめて!その子、自分の子供を守ってるだけなの。助けてあげて。」
そう声を上げたのは、いつの間にか意識を取り戻していた山下さんだった。
「いや…この子は多分、沙羅を通じて声を聞いているんだろう。この子からはそういった波長は感じられないからね。」
なつきさんがそう言いつつ指差したのは、私を心配して手を握っている、高野さんの手だった。多分、ここから、私を介して、黒猫の脳裏に響いてくる声が、高野さんにも伝わっているという事なのだろうか?
「まあ、なんにしても、色々と説明しないとならないのはあるネェ。ただ、まずはここの片付けをしなくちゃなんないし…あと、もう一つ、そこにある妖気の対処もしておかないと…。」
なつきさんは、そう言いながら、ポケットから、新たに数枚の紙切れを取り出し、部屋の奥に漂っている青い靄を見つめて構えを取った。その時。
「やめて!その子、自分の子供を守ってるだけなの。助けてあげて。」
そう声を上げたのは、いつの間にか意識を取り戻していた山下さんだった。
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