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DRAGON LOVER 52

[337]  木村蜜実  2009-10-20投稿
DRAGON LOVER 8章



死神は自分のキズを治さず、ライアンのキズを治しはじめた。

「いいのか…お前は治さないのか…?」
ライアンは不安そうに死神を見る。

「俺の事はいい。どうにでもなるさ。それより、何処へ連れてかれた?」

「王に…。エリンと奈々が必要だと…。秀明も邪魔してきてさ…。ごめん…。」

相当苦戦したらしく、思ったより参っている。
「必要って…?どうして?」

「さあ…。理由までわかんねぇけど…。」
キズも良くなり、死神は疲れた顔をしながら、自分のキズを治しはじめた。
僕は少し疲れて、その場にしゃがみ込んだ。

「ハーン…これからどうする?」

「どうするって…助けに行くしかないだろ?相手が王じゃなぁ…。3人で一気にやるしかないな。」
あ〜だこ〜だ相談していると、突然扉が閉まった。

急いで扉を開けようとするが、ビクともしない。

「ど〜なってんだよ!開かねぇぞ!」
僕らはもがきながらも扉を開けようとする。

周りに…嫌な空気が漂う…。

「ゼウス様…。」
死神は震えながら後ろを見てる。

僕も慌てて後ろを振り向く。

そこには、王(ゼウス)とエリン、奈々が立っていた。

その横には秀明…。

「今度ハ サッキトハ違ウ…。本物ノ肉体ダカラナ…。攻撃ハデキナイ…。」

「クソっ!汚ぇぞっ!」
ライアンは叫んで変身をする。

僕も遅れて変身をした。

しかし…。

何故かエリンが変身をして、僕らに攻撃をしてくる。

「エリン!なにやってんだよ!俺がわかんないのかっ?!」
叫ぶ僕の声はエリンには届かず、長い爪でライアンを引っかく。

「なんだよ一体…。」
何かがおかしい…。

そう感じた時、僕にも攻撃をしてくる。

「死神っ!逃げた方がいい!!早く逃げろ!!」

「バカ言うなよっ!お前ら置いて逃げられないだろ!!」
叫んだ瞬間、エリンは死神を掴んで地面に叩きつけた。

操られている…。

僕たちの体も、金縛りにあう。

奈々が僕等の動きを止めている…。

「奈々!!目を覚ませ!………頼むから。」
ライアンはやるせない表情をして奈々を見つめる。

また…『禁断の魔力』を使わなければならないのか…。

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