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タイムカプセル 11

[298]  内田俊章  2009-10-20投稿
再会 ?

 「カン、カン、カン、カン」

 駅の近くにある、踏み切りの警報器が鳴り、謙介は我に帰った。

 謙介の心臓の鼓動が、いきなり早くなって来た。

 列車が滑るようにホームに入って来ると、その鼓動は、一層早くなった。

 3人の乗客が降りて、その後に、キャリーバックを持った女性が降りて来た。

 サングラスをかけたその女性は、この町には不釣り合いな“女優か”と見間違える様な美人だった。

 その他に降りる人は無く、列車は走り出した。

 謙介は、半信半疑で声をかけた。

 「あの〜、高島亜紀……?」

 その女性は、サングラスを外して、謙介の顔を見た。

 「……、ケンちゃん?」

 サングラスを外すと、目元には、わずかに面影が残っていた。

 「ヤッパリ、亜紀か!」

 「会いたかったよ!ケンちゃん!」

 「あぁ、久し振りだな!」

 亜紀がバッグを置き、両手を差し出すと、謙介も両手で握り返した。

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