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旅の記憶(最北の地 6 )

[321]  ヒロ  2009-10-27投稿
キャンプ場での早朝。四国から来たオチが出発する為、テントを畳み始めた頃にブルが起きて来た。
ブル、「なんだ?もう行くのか?」と言いながら、持って来ていたバーナーに火を着け、お湯を沸かし始めた。
オチ、「はい、お世話になりました。お二人にも宜しくお伝え下さい」
ブル、「あぁ、言っとくよ。それより、これからどっち行くんだ?」
オチ、「南下します。函館からフェリーで青森に…」
ブル、「そうか…本州は日本海周り?太平洋周り?」
オチ、「太平洋周りです。関東までは4号線ですかね」
と、お湯が沸いたので、カップを取り出し、コーヒーを入れる。
ブル、「インスタントだが飲んで行けよ。」
オチ、「すみません、頂きます。」
ブル、「うちらの方が速く帰ってんだろ?東京近郊で困ったら電話してこいよ」と言って紙に住所と電話番号を書いて渡した。
オチ、「良いんですか?ありがとうございます」
ブル、「バイク屋だが、チャリンコの修理の方が多いかな?まあ、遠慮しないで来てくれ、金も無ぇんだろ?宿代わりでも良いからよ」
オチ、「あ、ありがとうございます、是非寄らせてもらいます。じゃあそろそろ行きますね」
ブル、「あぁ、じゃあ良い旅をな」

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