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奈央と出会えたから。<402>

[552]  麻呂  2009-10-28投稿

聖人は、そんな光景を、黙って見ていた――



表情ひとつ――



変えるコトも無く――



『京谷クン。

この3枚目と4枚目の、植物のアップの写真は結局、

違法なモノではないと判断されたはずではないか!!

とにかく、写真は全てニセモノだ!!

うちの息子とは無関係だ!!

それに、なぜ私達親子が、北岡クンに感謝しなくてはならないのだ?!

全く、おかしなコトを言うね、君も!!』



声が裏返るほどに動揺していた森宮の父親の、必死に言い訳をする姿を、



もしも、



学校関係者に見せたなら――



誰が、



教育委員会の教育長であると想像出来ただろうか――





『シラを切るのも、いい加減にしろよ古ダヌキがッッ!!

3枚目と4枚目のクサのアップの写真を、

違法に該当しない“ケナフ”の写真とすり替えて、

博物館の館長サン宛てに送信するコトを提案したのは、

聖人だからだよ!!
なぜだか分かるか?!

そこが、聖人の甘い所だと、俺も思っては、いるのだが、

森宮‥‥テメェをブタ箱に入れさせない為の、ありがたい配慮だと思えッッ!!』



ガクンッッ――



森宮の父親は、



大きく肩を落としたかと思うと、



その息子の隣にひざまずいた――



ジョジョジョジョジョ―ー‐



さっきから、頭を抱え込んだままの森宮の足元から、



黄色い液体が流れ出していた――

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