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リレー小説「隣の男の子」3章1話:木村蜜実

[344]  木村蜜実  2009-10-28投稿
3章 1話



「なんでそんな電話の出方なんですかっ!!もう少しゆっくり丁寧に話さないと失礼ですよっ!!」
さっきとはだいぶ違う、強気な態度を取るサツキ…。

「ごめんね…てゆうか、サツキちゃん急に怖くなったね…。」
民生は冷や汗をかきながら呟く。

「そうですか?そんなことないですよ!…ちゃんとマニュアル見て下さい!」
自分でもわかっていた。
さっきとはまるっきり態度が違う事を…。

会長の息子だなんて…。

意識を強く持って教育(?)しなきゃ…。

サツキは一生懸命にいろいろ教える。

しばらくすると、民生は急に立ち上がり、サツキの方を向く。

「…なんですか?」
不満そうな顔をして、サツキは民生を見る。
別に睨んでる訳ではないが、民生にはそう見える。

「ちょっと休もう。」
そう言ってサツキの手を引っ張る。
時計を見ると、もう12時を過ぎていた。

「…そうですね。少し休みましょう。」
そのまま外へ向かう。

引っ張る力が強く、サツキは自然と早歩きになる。
社内で手を引かれスタスタと歩く姿にすれ違う社員は振り向く。

「民生さん!痛いです!!」
手を振り払い、思わず睨みつけた。

民生は振り返り、
「なんか不満でもあるの?」
と強い口調で問い掛ける。

「ふ…不満なんて…。」
(あるわけないじゃん…。)
俯き横を向くサツキ。

そっと肩を掴み、民生はサツキを見つめた。

「怒鳴ってごめん。でも、不満があるなら言ってくれないかな?…仕事しずらい…。」
民生の切なそうな顔に、サツキは胸が痛くなる。

「あたし…なんだか訳わからなくて…。ごめんなさい…。あんな態度取ってしまって。」
出会ってまだ2日なのに、なんか…どう表現したらいいかわからない想い…。
サツキにとって、複雑な気持ち。

民生はサツキの表情を見て、
「…だよね。僕の方こそごめんね。」
肩を掴んでいた手はゆっくりと離れ、民生はサツキの手を握った。

「とりあえず、何か食べて、ゆっくり教えてもらうよ。行こう。」
さっきより優しい触れかた…。

(なんか…よくわかんない人だなぁ…。)
サツキは頭の中で呟いた。

感想

  • 26831: 細かい心情が微妙に読み取れ楽しいっすシャイン [2011-01-16]
  • 26966: ありがとうございます★キム [2011-01-16]
  • 26990: おぉ!さすが木村さん♪ゆさ [2011-01-16]
  • 26991: 投稿しましたー☆唯沙 [2011-01-16]
  • 27019: 姫!早っ!!楽しみ〜♪キム [2011-01-16]
  • 27072: 姫早っ(嬉)シャイン [2011-01-16]

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