ほんの小さな私事(128)
それにしても、まさか、私の様に、何らかの力を持っている人が他にも居る事も驚きであったが、それがほんの身近に、そして、こんなにも多くの人が能力を持っている事に衝撃を受けた。
更に、この学校では、その様な能力者を育てるという、別の機関を持っているようだし、そうなるとつまり、この学校には、意図的に、能力を持った人が集められてくるのだろうか?
私は、なつきさんの説明をききつつも、そういう感じに、無意識のまま、想像を膨らませていた。
もうこの時点で私は、能力の事や、霊の存在と言うものが、自分にとっては身近なものという認識に変わっていた。
なつきさんは、更に説明を続けようとした時、不意に、保健室のドアをノックする音が聞こえてきた。
「加藤先生、いますか?」
外から聞こえてきた声は、私のクラスの担任、瀧口先生のものだった。
「あー…しまったな…。まだ今、授業中なんだよな…。説明するのに気をとられて、そっちの事を考えるのを忘れてたよ。」
そう言われてみれば、本当なら私たちは、体育館に向かって、体育の授業を受けているはずである。
多分先生は、私たちが居ないのに気付いて、探しに来たのだろう。
「先生、開けてください。こちらにうちの生徒は来ていませんか?」
ドアをノックしながら、そう声を上げ続ける瀧口先生。それを聞いてなつきさんが、「はいはい、わかりました。今ドアを開けます。」と返事をしたあと、私たちをぐるっと見渡し、小さな声で囁いた。
「いいかい。さっき私が、図書館でやったように、そこの先生にも、催眠を掛けてみる。君たちは暫く、ベッドのカーテン裏に隠れていて。」
そう言って彼女は、ポケットから一本の棒を取り出すと、それを左手に持ち、扉の鍵に手を伸ばした。
更に、この学校では、その様な能力者を育てるという、別の機関を持っているようだし、そうなるとつまり、この学校には、意図的に、能力を持った人が集められてくるのだろうか?
私は、なつきさんの説明をききつつも、そういう感じに、無意識のまま、想像を膨らませていた。
もうこの時点で私は、能力の事や、霊の存在と言うものが、自分にとっては身近なものという認識に変わっていた。
なつきさんは、更に説明を続けようとした時、不意に、保健室のドアをノックする音が聞こえてきた。
「加藤先生、いますか?」
外から聞こえてきた声は、私のクラスの担任、瀧口先生のものだった。
「あー…しまったな…。まだ今、授業中なんだよな…。説明するのに気をとられて、そっちの事を考えるのを忘れてたよ。」
そう言われてみれば、本当なら私たちは、体育館に向かって、体育の授業を受けているはずである。
多分先生は、私たちが居ないのに気付いて、探しに来たのだろう。
「先生、開けてください。こちらにうちの生徒は来ていませんか?」
ドアをノックしながら、そう声を上げ続ける瀧口先生。それを聞いてなつきさんが、「はいはい、わかりました。今ドアを開けます。」と返事をしたあと、私たちをぐるっと見渡し、小さな声で囁いた。
「いいかい。さっき私が、図書館でやったように、そこの先生にも、催眠を掛けてみる。君たちは暫く、ベッドのカーテン裏に隠れていて。」
そう言って彼女は、ポケットから一本の棒を取り出すと、それを左手に持ち、扉の鍵に手を伸ばした。
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