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recall project #19

[440]  ERROR  2009-10-29投稿
坊主を仕留めるために俺が実行した作戦とは、全力投球の合間合間に緩い高めの球を入り混ぜるもの。そして、徐々にボールを高くしていき、気付いたら取れなくなっているというもの。相手の長身を上手く利用したものだ。
「そういえばお前、俺の名前知らないよな。俺は霧島勲。キリシマイサオだ。中学んときは見ての通り野球やってた。」
確かに俺は坊主……いや霧島の名前知らなかったが、なんで霧島は俺の名前知ってるのか?いや、一応自己紹介はしたからなんで覚えているのか?という表現に変えるが。
「へー、野球ね。俺は八嶋魁。鬼に一斗缶の斗を組み合わせて『かい』って読むんだ。よろしく。」
霧島は俺の名前を知っているようだが、一応もう一度自己紹介しておいた。
「へ〜そうかい……」

………………………

少しの沈黙が流れた後、俺は不覚にも笑ってしまった。あまりにもしょーもなかったから……
「わ、悪い悪い!なんかノリでつい口から出ちまった。」
その後俺達は仲良く教室まで談笑した。霧島とは気が合いそうだ。
一方、怜はというと持ち前の社交性で既に友達を作り先に教室に戻っていたらしい。
皆が席に着くと先生が教室に来て、話し出した。
「皆さん、ドッジボール楽しかったですか?私も君達を見ていると昔を思い出して懐かしかったです。えーと、明日は始業式ですから、そのことを忘れないように、はい。あと、プリントを渡します。」
話し終わると先生はプリントを配り出した。そのプリントはこの一週間の予定表、時間割、年間計画のプリントの3つだった。
「明後日から授業が始まります。最初のうちは変則授業なのでそのプリントを見て間違えないようしてください、はい。では終わります、起立!礼!」
ありがとうございました、と生徒がまばらに頭を下げる。
「かい君一緒に帰ろう。」
隣にはかばんを手に持った怜がいた。俺と怜は学校を出た。
「いやー、ドッジ楽しかったね。体動かしたの久し振りだよ。」
「れい、お前すぐ当てられてたじゃねーか。」
「ハハハ、でもかい君、ドッジ強いのも小学校から変わんないんだね。」
「下手にはならないさ。ただ、今でもこんなにやれるとは思わなかったよ。」
そんな話をした後、俺は怜と別れた。

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