携帯小説!(スマートフォン版)

自身喪失

[454]  ニコル  2009-10-30投稿
長い人生の中でこぼれ落ちた小さなため息

すきま風に吹かれて舞い上がり
きしむ天井にぶつかりポトンと落ちた


歩くための足はあるけれど
歩くべき道は見当たらない

そう思って振り返ると
見えるのは歩いて来た長い道のり

言葉を沢山覚えたけれど
余計に気持ちは伝わらなくなった

本当を知るにつれて
それ以上に嘘が見えてきた


目を閉じると世界は黒

目を開くと日常は白

そして今ここにある焦燥感と

消えてくれない自分

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