携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 学園物 >> recall project #20

recall project #20

[422]  ERROR  2009-10-30投稿
「ただいま…」
家に帰ると玄関前に母が立っていた。そして、俺を見るなり母の態度は変わった。
「お帰り…ってどうしたの?そんなに制服汚して!まだ学校始まって間もないのに。」
(な〜んだ、このことか。)
俺は少し安心して説明し始めた。
「大丈夫、この制服、特殊な繊維を使ってて払えばこの程度の土なん…て……」
俺は制服に付いた土を必死に払った。だが、土は落ちることなく制服にへばり付いてしまった。
「魁、今度の休みにクリーニングに出しなさい。お金は……分かってるね?」
「……はい、すみません……」
そういって母はリビングへと戻っていった。
(あのヤロー、嘘つきやがったな〜!小遣いもただでさえ少ないのに……)
悔やんでも悔やみきれないミスだった。とりあえず明日宮垣に言及しようと思った。
今日の母はおかげでたいそう機嫌が悪かった。俺やあかりが話しかけても素っ気ない返事ばかりする。

翌日、
「おはよう、今朝は早いね。」
母の機嫌はすっかり直っていた。これは母の性格のためだろうか。
「うん、……」
俺は何か言いかけてやめた。何か言ってまた機嫌を損なわれたら困るからだ。
「行ってきます……」
「いってらっしゃい。」
俺は土で汚れた制服を身に纏い家を出た。

「おはよう。」
怜が教室に入って来た俺を見つけるとそう言って手を振ってきた。いつもと変わらぬ光景だったが、一つだけ違っていたことがあった。怜の隣に誰かいたのだ。近寄って見てみるとそこにいた人物は霧島だった。
「よぉ、八嶋!」
「おう……」
霧島の大きな声がよく響く。俺は控えめに挨拶を交わし、その目線を下げてこう言った。
「やっぱ落ちなかったか、土……」
「あぁ、そのおかげでこっぴどく怒られてよ。あの野郎、マジでムカつく。」
「あれ、れい、制服洗濯した?」
俺はふと怜の方を見るとそう思うほど(俺達と比較して)綺麗だった。
「いや、俺すぐ当たっちゃったから。」
と、怜は笑いながらその理由を話した。
「なぁ、宮垣にこのこと言いに行かねぇか?クリーニング代出させてやる。」
霧島が少しイライラしながら言った。
「あぁ、俺もそのつもりだったしな。問い詰めてやろう。」
そんな計画を立てているうちにチャイムは鳴った。

感想

感想はありません。

「 ERROR 」の携帯小説

学園物の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス