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タイムカプセル 24

[332]  内田俊章  2009-11-02投稿
あぶり出し ?

 すると、まっさらだった便箋に、次から次と、文字が浮かび上がってきた。

 廻りで雑談していた皆も、何が始まったかと、集まって来た。

 亜紀は、タイムカプセルの開封が何時かも分からないまま、将来の自分と謙介への思いを“ロウ”で綴っていた。

 『今日は、昭和何年何月何日ですか?
私は、西尾謙介の妻です。
子供は、亜弥ちゃんと、大介君です。
本当にこうなっていると、嬉しいな!
大好きです、ケンちゃん!
昭和58年7月25日
高島亜紀』

 皆は、言葉をなくし、静まり帰っていた。

 亜紀は、謙介に寄りかかり泣き出した。

 謙介も、空を(くう)を睨んだまま、目尻に涙を溜め、固まっていた。

 「謙介!」

 智樹に呼ばれて、謙介は我に帰った。

「謙介!お前は幸福者だな!」

 「あぁ、ガラにもなく、感動しちまったよ!」

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