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ロストクロニクル8―14

[362]  五十嵐時  2009-11-05投稿
早々と兵士を片付けるとシルヴァは机の引き出しを調べ始めた。
「何してるんだ?」
「あの兵士、ハイドロ号はまだ帰って来ていないと言った」
「それが?」
「お前達の戦っていた海賊達はハイドロ号の海賊だったんだ。だから、帰って来ていないなんてあり得ない」
シルヴァは終始引き出しを調べながら、淡々と答えた。
「あった」
引き出しから一冊のノートを取り出した。
「それは?」
「このノートに慰めの牢獄に収監されている者達が全員載っている。魔導師の名前は?」
ノートから目を離し、タクトを見て聞いた。
「フラット」
「見てみろ」
シルヴァはタクトにノートを突き出すと、縛り上げた兵士の腰の辺りから鍵束を取った。
「あ!」
ノートの一番新しく書かれたであろう欄には、はっきりと『魔導師』と書かれていた。
「きっとフラットだ!」
「ああ、さっさと行くぞ。もう一人の門番が兵士が帰って来ないことに気付く前にな」
「でも、居場所は分かるのか?」
「もちろん、俺はここから逃げてきたからな」

「俺がいた時よりも兵士が増えてやがる!」
タクト達は、檻が碁盤の目状に並べられた、島民達が多く収容されている地下に辿り着くことはできたのだが、見張りの兵士が多すぎて動けないでいた。
「タクト、よく聞け、この地下には15人ずつ収容される檻が9つ碁盤の目状にある。俺達は今、地下に続く階段を降りて来て、この第7監獄の手前にいる訳だが・・・」
シルヴァは簡単に3×3の碁盤の目を地面に描くと左下の四角に丸印を描いた。
「どうやら、フラットはこの第3監獄にいるようだ」
今度はその碁盤の目の右上に×印を描いた。
「厄介だな」
「全くその通りだ。でも、俺は全ての檻を開けてやりたい」
「え!」
「静かにしろ!」
タクトの叫びと同時にシルヴァが咄嗟にタクトの口を塞いだ。
「でも、兵士の数が多すぎる。何人なのかさえ分からないじゃないか」
「分かってるさ。そんなこと。だから・・・」
シルヴァは懐から数本の短剣を取り出した。
「まず、第7監獄の島民にこの短剣を渡す。まぁ、人数分はないがな」
「戦わせるのか?」
「ああ」
タクトが反対しようとした時
「侵入者だ!」
「ちくしょう!タクト!」
タクトに短剣と鍵を渡すとシルヴァは猛然と兵士に向かって行った。

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