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recall project #23

[449]  ERROR  2009-11-06投稿
俺は疑心暗鬼になりかけていた。隙を作ると何が起こるかわからない、そんな恐怖に怯えているのかもしれない。
(おいおい、またマイナス思考かよ。俺も変わらないな、高校生になっても……)
そう、俺は昔からすごく疑い深い性格だった。背景は語りたくないが。
「はーい、ここが講義室Aです。よく使う場所なので覚えておくようにね。あと、毎日の掃除もここ、と教室だからね。」
講義室Aは普通の教室と大きさは変わらない。三階の南棟に位置している。(HR教室は北棟にある。)特にHR教室と変わったところはない。
「では掃除始めて下さーい。終わったら隣の教室にいるから呼びにきてな。」
予想以上にフレンドリーな先生だ。すごく親しみやすい。
(ひょっとして、この人は違うのではないか?)
そう思うほどだった。
(でも掃除くらい手伝えよな……)
俺はほうきを取り、黙々と掃除を始めた。怜はここにはいないのだ。出席番号後半の人に親しい人はいない、かと言って話しかけようという考えも起きなかった。
この学園の生徒はホント真面目だ。誰ひとりサボっている人がいない。各々分担しながら掃除していく。そのおかげで、思ったより早く掃除が終わった。終わったことを確認して、二人の女子生徒が先生を呼びに行った。
「終わった?早かったですね。皆お疲れ様でーす。じゃあまた1−5に戻ってて下さい。」
俺達は1−5に戻った。
教室に着くとまだ教室掃除は終わっていなかった。俺達は教室掃除の手伝いをする。その最中、俺はある生徒と目が合った。少し茶髪がかった長髪が印象的で、端正な顔立ちをしている。だが名前までは覚えていない。ドアの付近で何もせずに突っ立っていた。そしてすぐに目線は逸らされた。
「かい君、向こうの掃除終わったの?」
突然怜に話しかけられハッとする。
「ああ、終わったよ。すぐにね。」
「八嶋ー、例のこと、次の休み時間に言いにいこうぜ!」
声で霧島だとすぐわかった。
「よし、そうしよう。」
そんな会話をしているうちにあの茶髪生徒のことは忘れていた。
手伝いのおかげもあってか、教室の掃除もすぐ終わった。掃除が終わると宮垣先生が現れた。
「はい、掃除、終わりましたか?では座って下さい。」
俺達は着席する。時計はすでに10時あたりを指していた。

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