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神のパシリ 27

[355]  ディナー  2009-11-10投稿
「…な、何だと…?」

月のパシリから次々語られる事実に、いい加減ゼルは目眩を覚え始めていた。

「…多分、だけどね。彼女には並々ならないモノを感じるんだ。まして、この屑だらけの街では尚更だよ」

ゼルの記憶の糸が深海に垂れ、何かをサルベージしようとしている。

………光の一翼。

いや……

……白き者。

いや……

…我が名は……



………レミエル。



「まさか……」

「ん?思い当たるフシでも?」

「ここに来る前、光の小間使いと一戦交えた。
その白き者は翼を携え、レミエル…と名乗った……!」

「…!…ビンゴだね」

キアも面喰らったようだ。今までになく細い目が見開かれている。

「…光のパシリはあまたいるのは知ってるかな?なんせ今や人類の希望の象徴な神様だからね、光の神は。
その中で、高位の者以外のほとんどが人間を動力源、力の源としてる。いわば一心同体に近い。
人間の信仰心を練り上げ、人間に…

そう、寄生するかのように光のパシリは生み出されるのさ。

神様なのに…何か卑しい感じだよ。人間に執着しながら、それを利用して力をつけようとしてる。

やはり、自分の世界が必要なのかなぁ、どんな神様もさ」

「…さぁな。主以外の神に興味はない」

「ま、ともかくそんなワケだから、撒き餌はレミーシュでいいんじゃないかなぁ」

そう言うキアの表情は、どこか悪戯っぽく、
『わかるよね』
とでも言わんばかりだ。

「…ほら、上手くいけば僕らの手を汚す必要なんてないかも知れないしね」

そのヒントで、ゼルは理解し、思わずにやついた。口元を片方吊り上げ、白い歯がこぼれる。





「なるほど…考えたな、夜の光め…」

その言葉は賛辞だ。

キアは満足げに目を細めた。

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