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gone fishing 前編

[731]  フェリス  2009-11-14投稿
田口金博は今年で36才になる。妻、清美と二人の子供と家族四人で幸せに暮らしている。しかし、妻の清美は意外に結婚してから気が強くなり、恐妻とまではいかないが、妻の尻に敷かれた状態である。


金博の趣味は釣りである。小学生の頃からバス釣りや海釣りなどを始め、未だに続いている。


「アナタ、また明日釣りに行くのね。」

「あぁ、秋のこの時期になると、防波堤にたくさんの旬の魚が集まってくるんだよ。今、この時期ならメバルやカレイやカサゴ、アイナメは勿論、クロダイだって狙える。」

「でも何故、あなたは夜釣りにしか行かないの。明後日も休みなんだから明後日の昼間に行けば良いのに。」と妻の清美は不思議そうに言った。

「俺のスタイルは夜釣りなんだ。魚は昼間は海の底で眠ってて、夜になるとエサを求めて水面近くまで上がってくるんだ。とにかく明後日の昼飯と夜飯は大ご馳走に間違いないな。」


そして次の日の夜、金博はリールの竿とウキやオモリや針などをクーラーボックスに入れ、いかにも釣り人らしい格好で家を飛び出した。

しかし、車は港区方面へは向かわず都心部の方へ走っていった。・・・

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