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魔女の食卓 6

[372]  矢口 沙緒  2009-11-15投稿


山口
「そうよ、わがままで、タチが悪くって、意地悪で、ひねくれてて、陰険で、素直さがなくって、頑固で、思いやりがなくって…ええと、それから…」
朝倉
「ヒガミって怖いわねぇ。
こんな所で根拠のない悪口言ったって、しょうがないじゃない」
山口
「だって、こんな事でも言ってなくっちゃ、落ち込みから立ち直れないもん」
朝倉
「ねぇ、体調が悪くないのに、病院の待合室に行く人がいるの知ってる?」
戸倉
「いったいなんの話よ、急に。
そんな人はいないでしょ。
どこも具合が悪くないのに、なんでわざわざあんな陰気な所に行くのよ」
朝倉
「それがさ、結構いるのよ。
フラれて落ち込んだり、何かに失敗して気が滅入ってたりしてる時なんかにね、病院の待合室に行くのよ。
そうするとさ、病気の人や怪我をしてる人とか、とにかく調子の悪い人ばっかりいっぱいいるじゃない。
それを見てさ、あぁ、私は健康なだけまだ幸せなんだわって。
そうやって、自分を元気づけるキッカケにするのよ」
戸倉
「上を見るから落ち込んじゃうけど、下を見れば元気が出るってわけね」
山口
「私も病院に行こうかなぁ」
朝倉
「わざわざ病院に行かなくたっていいのよ。同じ効果を得られればいいんでしょ」
戸倉
「どうするのよ?」
朝倉
「大西麗子の事は忘れて、川島美千子の事でも考えたら。
そしたらちょっとは元気が出るんじゃない」戸倉
「ああ、なるほどね。川島さんね。確かに彼女と比べたら、まだあんたのほうがマシだもんね」
山口
「ちょっと待ってよ。川島さんと比べたら、別にあたしじゃなくたって、誰だってマシよ。
だって彼女ってひとつもいい所ないじゃない。
顔はブーだし、スタイルは最悪だし、センスもなくって田舎っぽいし、性格も暗いし」
朝倉
「だから病院の待合室なのよ。
彼女を見たら誰だって自信がつくでしょ。
生きる希望が持てるでしょ」
戸倉
「ねぇねぇ、川島さんと大西麗子ってさぁ、両極端だと思わない?同種族の生物とは思えないくらい、かけ離れてるわよねぇ」
朝倉
「天と地」
戸倉
「月とスッポン」
山口
「猫と鰹節」
戸倉
「ちょっと、あんたの言ってる事って変よ。それを言うなら、猫と小判でしょ」
朝倉
「あんたの言ってる事も変よ」

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