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ロストクロニクル8―25

[372]  五十嵐時  2009-11-21投稿
「任せて下さい!」
フラットは両手を強く握り合わせると、手の中に炎を作り出した。
両手をゆっくり離すと手と手の間には火の玉があった。
「鎖でできた右足だ」
フラットは火の玉に語りかけた。すると、火の玉は巨大化しながら傀儡の右足へぶつかり、溶かした。
「くそ!」
傀儡は右へバランスを崩したが、瞬時に足を再生すると体勢を整えた。
「次はこちらの番ですね」
トロッコの進行方向に複数の鎖が張り巡らされた。
「ちくしょう!」
「溶かせば同じことですよ!」
フラットは先程と同じ要領で火の玉を進行方向に放った。
「貴方、邪魔ですね」
フラットは傀儡を振り返った。
「フラット!駄目だ!」
タクトが止めた時には遅かった。傀儡は既にフラットの目を睨み付けていた。
「さぁ、炎の力でトロッコごと皆さんを溶かして下さい」
フラットは両手を掲げると自分の頭上に大きな火の玉を作った。
「フラット!やめろ!」
「傀儡!」
パールは傀儡に向かって矢を放った。
鎖が矢を弾いた為傀儡には当たらなかったが、フラットの呪縛は解けた。
「フラット!その火の玉を傀儡にぶつけてやれ!」
フラットは我に返った瞬間に訳が分からない表情を見せたが、すぐに「はい!」と返事を返すと、掲げた両手を傀儡に向けた。
「・・・これは困りましたね」
巨大な火の玉は傀儡を頭から飲み込むように覆い被さった。
「やったー!」
「ふぅ〜、さて、後は出口までのんびり待つとするか」
ウェドが安心しきってトロッコに腰を降ろした。
「のんびり?貴方達をエンシェントロックから出す訳には・・・」
その声は周囲を包む。
四人はそれぞれ四方を警戒した。
「いかないんですよ!」
傀儡は前方に現れた。
「なんだと!」
「避けきれないわ」
トロッコは傀儡の元へ向かっていく。
「ラッキーだぜ。道が分かれてやがる」
ウェドは左の分岐への道を見つけた。
「だけど、どうやって行く?」
「任せろ。しっかり、掴まっとけ!」
ウェドはタイミングを見計らい、分岐点前にさしかかると力いっぱいハンマーを振るい、トロッコの右前輪辺りを強く叩きつけた。
トロッコは大きく左に振れ、右側が持ち上がった。
「ちょっとやりすぎよ!」
「ぶつかるよりましだ」
トロッコは半分持ち上がったまま左へ曲がった。

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