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Paramita―序章4―

[467]  新海 剛志  2009-11-28投稿
「・・・殺しはしない。だから、早くあいつを出せ・・・早く・・・俺をあいつに・・・・・・逢わせてくれ・・・・・・」
 詰まる声で呟く私。
 見つめる先には彼女の瞳が揺らぐ。
 私は彼女を殺すのではないか。
 このまま彼女を握り潰せば、気持ちが晴れるのではないのか。晴れる・・・

 ―いや・・・晴れはしない

私は彼女を解き放つ。彼女は床に転び込むと何度も咳をした。
 我に還る私
 私は武士らしからぬ行動を酷く恥じた。そして、床に手を付き彼女に頭を下げる。彼女は私を見て、酷く恐れをなし、目を丸くして驚いていた。

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