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Paramita―序章7―

[512]  新海 剛志  2009-11-29投稿
どうやらこの階は遊女たちが寝泊まりしているらしいが、今の時間帯は皆出払っているようだ。
閑散としている。

「紅桜はここで生活しているのですか?」
「・・・いいえ・・・彼女は三階で寝泊まり・・・・・・仕事を・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・あの娘は人と交わるのが嫌いみたいで・・・ここには一度も顔を出したことがないんです・・・・・・」
「・・・・・・」
 私は彼女に返す言葉がなかった。何を言ったところで何も変わらない。何を言ったところですべてが嘘に思えてくる。だから私は何も言わない。
 ―情けない

 

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