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奈央と出会えたから。<407>

[557]  麻呂  2009-12-09投稿

その翌日――


渋川が、あたし達の予想通りのリアクションを示してくれたのは、


登校して間もなく、

ホームルームが始まる直前だった――



『き、き、き、北岡っっ!!

北岡は来てるかっっ?!

今すぐ職員室に来なさいっっ!!

それと、今日のホームルームは自習だ!!』



渋川の慌てたその様子に、


クラスメイト達は、一瞬ざわついたケド、


昨日の話の流れから、


すぐに聖人の処分が決定したのだと悟ったようだった。


聖人が少し気だるそうに席を立ち、教室から出て行くと、


ユカが心配顔で、あたしに話しかけてきた。



『奈央おはよ。

昨日はびっくりしたよ。あんた突然、教室飛び出すんだもん。』



ユカには、まだ詳しいコトは話していない――



『うん。ごめんね。後でゆっくり話すから。』



職員室には森宮親子が来ていた――



昨日の、FM小樽のゲスト控え室でのコトは、



もちろん、



森宮親子と、あの場にいたメンバー以外、誰も知らない。



あたしには、



森宮親子が今日、なぜ揃って再び、うちの学校へやって来たのか、



大体の想像はついたんだ――



これは後で聖人に聞いたんだケド――



職員室で、森宮親子は聖人に土下座して謝ったんだって。



教育長サンと、その御子息の姿に、



校長と教頭、そして渋川は、目をまん丸くさせていたって。


あっっ!!



そうそうっっ!!



聖人に、5枚目の写真には何が写っていたのかを聞いたら、


こう言われてしまったんだ。





『ばぁか。奈央が心配するコトじゃねぇよ!!』





その日の放課後は、


久しぶりに、穏やかな時間を過ごすコトが出来たよね。



ねぇ聖人。



あのトキの会話覚えてる?!





――俺、アイツら親子のコト、少し詳しく知り過ぎちまったみてぇ――



――どういうコト?!――



――当初の計画を大幅に変更しちまってさ。

実は‥あン時、京谷サンを怒らしちまったんだ‥‥ハハハ――



――えぇっっ?!ホントに?!――



――あぁ。何考えてんだろな俺――





君のそんな優しさが大好きだったよ。



ありがとう。



明日もきっと、



晴れますように――

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