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復讐の女

[1202]  伴津丸 美恵  2009-12-14投稿


彼女はこの三年間、弟を殺した男を追い続けていた。

そしてついに弟の憎きカタキを、この廃工場の中の、行き止まりまで追い詰めた。

彼女の手に握られた銃の前に、弟のカタキはなすすべもなく、恐怖に顔をひきつらせていた。

もう、逃げ道はない。

しかし、人間の本性とは恐ろしい物である。

彼女は、この緊迫した場面でさえ、その持って生まれたそそっかしさを発揮してしまったのだ。


彼女…フグ田サザエは、弟のカタキに向かって、こう叫んで銃の引き金を引いてしまった。


「カツオのタタキ!」

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