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神のパシリ 48

[366]  ディナー  2009-12-15投稿
着替え終えたレミーシュは、
尋問のため、血で汚れた
狭い一室に磔けにされていた。

「裸のままでも良かった
けどねぇ…僕の趣味じゃ
ないから。
手荒にもしたくないし」

レミーシュは、
趣味の悪い、
露出部分が多分にある
拘束服をまとわされている。

充分手荒だろう……。

ゼルは言う必要のない
言葉を飲み込んだ。

「…で?なんでゼルを
ハメた訳?理由が
あるんじゃないの?」

申し訳なさそうな、
同情のような、
複雑なレミーシュの顔が
ゼルへ向けられている。

「お前は…あの時、
魂喰いとまともに会話を
成立させていたな。
…何を知っている?」

ゼルの声色は、冷たく
できない複雑な色だ。

「…ごめんなさい…

こんな事…
したくなかった…
だって…ゼルは、
ゼルの体は…、
フェルゼル兄だから…
傷つけるなんて…
したくなかった…


でも…あの人は…
私に白い薔薇と…
私をレミと……

あの人は………




フェルゼルなのよ」






「…何だと…?」

「間違いないよ…
あれはフェルゼル兄…
姿、形は違うけど…
フェルゼル兄なの…。
どうしてなのかは、
私には分からない…

でも、あの頃の
フェルゼル兄じゃない…」
レミーシュの瞳から、
涙が流れ落ちる。

決して綺麗な
泣き方ではない。
レミーシュは堰を切ったように鳴咽を漏らして
泣いている。

童女のようなその姿に、
しばし二人は
時が流れるに任せた。




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