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今宵ノ月-23-

[372]  朝霧結愛  2009-12-17投稿
「"竜之介"を奪いにきた…だが、まずはお前からだ。勝負しろ。銀狐…」

「わかりました…」

こあさはこの前の姿に戻り、刀を抜いた。

「おっと…ここは場所が悪い…別の場所でやらないか?」

そう言うと男は呪文を唱え空間が歪んだ。

「なんだコレ!?」

蓮と結海と杏奈の3人は戸惑いを隠せないでいる。

「空間移動だよ…大丈夫…場所が変わるだけで危害はないから…」

聖は深刻な顔で3人に説明した。

「さぁ、始めようか…」

「はい…」

鬼と銀狐は刀を構えた。
しばらくの沈黙のあと、2人は刀を交えた。

カキィィィン!!

「くっ…!」

「そんなに"竜之介"が大事か…一度捨てられたというのに…」

「黙れ!!」

キィン!!

男は一度、こあさから離れた。

「かなりの絶望だったろう…飼い主に捨てられたら…可哀想に…」

「黙れ黙れ!!」

こあさは人が変わったように目の色が禍々しい赤色に変わり、牙を出した。

「200年前と同じ…500人の人間を殺めた…あの時の…変わらないな…銀狐…貴様はあの時のままだ。」

男はニタァと笑った。

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