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LairStory

[747]  ミョダシ  2009-12-25投稿
「はぁっ、はぁっ!!」
乾ききった大地に響き渡る馬の足音とスニーカーの靴音。そして少年の荒い息。全身を軍服で包んだ大男が馬から降りた。
「観念するんだな、小僧が!早く剣を渡すのだ!!」大男の怒声が響く。
「嫌だ!おまえなんかに渡すかよッ!!」
少年が叫ぶ。そして腰に挿した剣を引き抜いた。
「なっ!?まさかその剣の力を使う気では!?待て!早まるな!!」
「消えちまえぇぇぇ!!」
剣から炎が吹き出し、強烈な光が辺りを覆ったと共に、四方が焼け野原と化した。気がつけば軍服の大男も馬もいない。
「はぁっ、はぁっ・・・。」
少年―――レイルは、ばったりと荒野に寝転んだ。そして小さく呟いた。
「父さん、母さん、これで良かったのかよ・・・。」
剣は煌々と夕日に煌めいていた。
これは、大いなる運命に翻弄されながら必死に生きた少年達の物語である。舞台はここ―――大陸ロゥランデにて始まる。
レイルは14の少年である。決して頭脳明晰では無いが、武術に長けた少年だった。父を幼くに亡くし、形見として受け取った、緋剣ラックレイルを常に持っていた。そんなレイルに悲劇が訪れた。母が借金の果てに悪徳金庫に殺害されたのだ。その時にも剣を渡された。蒼剣、ウォーレイルだ。
しかしその双剣が彼を戦いに駆り立てるのだ。
大陸ロゥランデでは五国による大戦が勃発していたのだ。レイルの住むフーレイは圧倒的に他の四国より劣っていた。軍資金も人員もなにもかも。ただそんな折、伝説の双剣というものがフーレイに存在する事が分かったのだ。そう、それこそが緋剣ラックレイルと蒼剣ウォーレイルなのだ。それが分かった瞬間、国内に探索依頼が発布された。しかも国家直属で。
そしてレイルは祖国を追われた。その時レイルが双剣を所持している事が発覚、国はレイルを追うようになったのだ。レイルは追っ手を葬ってきた。剣に込められた力によって。ラックレイルから吹き出る炎で、ウォーレイルから吹き出る水で。
長い放浪の末、レイルは、敵国であったソーマに流れ着いた。ろくに金も持たないレイルは何かを食べたくとも、食べれなかった。
「クッソ・・・頭が・・・。」
フッと意識が飛び、コンクリートの地面の上に倒れた。そんな時、彼を見つめる少女の姿が見えた。少女はレイルを抱き抱え、どこかに連れていった。レイルの旅は始まったばかりだ。

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