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星の降る窓辺から

[952]  三毛乱次郎  2009-12-27投稿

街のネオンがきらめく、夜半過ぎの交差点。

『あいつ』が走り去るのを、私はマンションの窓辺から見ていた。

きっともう、帰ってはこない。

なぜなら…。

ふと後ろを振り返って、ダブルベッドの上を見つめる。

そこには、全身が血まみれた女が横たわっていた。

まるでペンキをぶちまけたかのように、壁にまで飛び散っている赤い飛沫。

余程苦しかったのか、そこには指の跡が手形となって残っていた。

私は外に視線を戻すと、爪をガラスに押し当てた。

…ギギギ。

耳障りな音と共に、赤い涙がポトリと落ちる。

そう。

殺されたのは私。

きっとこの部屋へ、もう戻ることはない。

睨みつける窓辺の下で、『あいつ』は新しい女にネックレスを渡した。

さっきまで私が付けていた、ネックレスを…。

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