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神のパシリ 56

[395]  ディナー  2009-12-29投稿
フェルゼルがロロに
やってきた理由は、
街の、ひいては世界の
革命じゃ。

あらゆる手段を用い、
ロロに安定した平和を
もたらし、
神という絶対的存在から
人間を独立させようと
考えていたようじゃ。

人間は神が創った
道具、玩具でしかない
と考える者は、
数多くはないが
確かに存在している。

フェルゼルも、その一人だった。

それを断ち切るための
足掛かりが、
ロロの支配だった。




だが、彼は挫折する。


彼は、病に冒されていた。
不治の病じゃ。
おそらく、おぬしの主が
天秤を釣り合わせるため
創りだしたうちの
一つじゃ。

フェルゼルは、死を
呪った。

大きく、自分にとって
偉大な志の焔を
消そうとする、死という絶対的終焉を。

彼は、解決のための
方法を探った。

その時、偶然にも
街の外れにある
忘れられた寺院を訪れた。



朽ち果てたそれは、
破壊の神のもの
だったのじゃ。

破壊の神は、彼を
自らの果たすべき志の
ためにたぶらかせた。

『復活』という志のな。

彼に永遠の生命を
与えよう、と。

それを維持するために、
他の同族の命…

『魂』を喰え、と。

さすれば、命の永遠を
保証し、更に彼が
望む
『絶対的な力』
も備わる…


とな。


彼は、その契約を
結んだ。


皮肉なものじゃ。
神から自立する、という
志を果たすために、
神の…ましてや
究極の悪神の力を
借りたのじゃ。

本末転倒だのぅ。

当然、悪しき契約は
彼の思考や主義、
志をもねじまげさせた。



結果として、
ただ己の欲を果たすため
他者を脅かし命を喰う
人の形をした化け物に
成り下がってしまった。



もう…彼奴は、
フェルゼルではない。



まさに、
『喰らうだけの者』
なのじゃ。

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