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ハイティーンブギ(2)

[425]  桃子&我  2010-01-06投稿
監督は少し考えてから言った

「まっ250ならお前(僕)が勝つやろ」



監督は入学前の安倍に
男子で最上級になる僕が負けてプライドを砕き

練習パートナーにしたい考えのようだ



考えてみれば

二年間一日も欠かさず
練習を熱心に励んだ

僕に対しては残酷な通告だった



監督は執拗だった

「髪を伸ばしていいから安倍が入学してからの練習相手になってくれないか?」



監督は僕なら
安倍に手を出さずに

しかも恋愛もさせずに
競技に専念させられるという妙な期待が
僕に対してあったようだ


「とりあえず明日…安倍と走ってから考えます」
とだけ僕は答えた



次の日に
安倍は初めて
我が校の練習に参加した

僕はその体つきをみて驚いた


立ってるだけでわかる
身体能力!

…たしかに
これは一年生から
高校総体が狙えるわ



スラッと伸びた身長

カモシカのような足

バランスのとれた肉体は成長過程ではあるがバネを感じさせる


身体能力を体つきから見定めたうえで

顔(ルックス)を確認した



可愛い…

確かに競技に集中すれば高校三年生時には全国大会で上位にも入れるだろう…しかし…


しかし
安倍は可愛いすぎた…


安倍と会って
益々監督の野心が見えてきた


女子競技選手が
全国大会で上位に行くには恋愛は邪魔だという考えの時代



僕も同じ競技人として
安倍の将来性にワクワクしてきた



練習前のミーティングで監督は早くも宣言した

「今日はラストに安倍と宇野(僕)が250でレースするから」


ミーティング後に
安倍から僕に近づいてきた

「今日は宜しくお願いしています」

可愛い顔をしてるが

高校三年生(前)の男子相手でも勝ち気満々の闘志溢れる顔


「まっ安倍さんも僕に負けるようなら全国では勝てないからね」

そう優しく闘志をさらに促した



これが僕と安倍の
初めての会話だった…


〜続く〜

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