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超短編小説 理想の彼氏

[702]  堀北駿河  2010-01-07投稿
付き合って5ヶ月になる
彼氏と喧嘩した。

知らない女の子と居たの
が原因。

「あんたと話す事なんて無
い!!」

そうして私は友達の家に
泊まり込んだ。家に居ると
親が入れるかもしれないか
らそうした。

インターホンが鳴り彼氏
が「話しを聞いてくれ」と
言っても友達と私は聞く耳
を持たなかった。

彼氏はそのまま家に帰り
私は友達と強い雨の降る冬
の夜を過ごした。

真夜中。私はガン!ガン
!っと弱々しい音で一度目
を覚ます。まだ雨は降って
いた。

「なんだろ?」

そう思ったがまたすぐに
眠りについた。

次の日の朝。早く起きた
私は雨の止んだ外に出てみ
た。そして私は自分の目を
疑った。

そこには気温が氷点下の
なかずぶ濡れで体を振るわ
せながら道路に頭をつけて
土下座をしている彼氏が居
た。道路には血が頭から流
れていた。

「な・・・何してんのよあ
んた」

「・・・・・」

「もしかして一晩中そんな
事してたの?」

「・・・・・」

「ねぇ、何とか言ってよ」
彼の体をさわった瞬間に
彼はそこに倒れこんだ。

「えっ!?」

苦しそうに呼吸をしてい
る。

「凄い熱!!」

とにかく彼氏を友達の家
に連れ込んだ。

「何でこんな状態になるま
でしてたの?」

「・・・今日お前の誕生日
だし責めてコレだけでも渡
したかったから」

その左手には綺麗なリン
グが握られていた。

「コレは?」

「3日前にいとこと買いに
行ったんだよ。俺彼女にプ
レゼントなんて初めてだか
ら分かんなくてさ」

「3日前・・・」

私が見たのは彼氏のいと
こだった。

「そしたらお前はキレるし
俺の話しは聞かないし風邪
ひくし」

私が話しを聞いていれば
こんな事にはならなかった
のに。

「ごめん・・・ごめんね・
・本当にごめんね」

「泣くなよ。次はちゃんと
聞いてくれればいいから」
「うん」

横になってる彼は優しく
私をなでてこう言った。

「誕生日おめでとう」

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