白い天使のうた (16)
りらは、少しずつ表情を増していった。
始め、遠くから眺めていた、施設の他の子供たちの動きにも、
少しずつ距離を縮め、近くまで入るようになっていた。
それでも、他の子たちのように、物の貸し借りをすることはできず、
大資の読む、読み聞かせの中にいて、他の子たちの笑うのを見て、
自分も笑ってみたり、
自分もその中で読んでほしい本を持って行くけども、
渡すことのできなかった本を、戻って来て塚本に渡した。
塚本としては、
自分だけでなく、施設の子たちと一緒にいて話せるようになってほしかったが、
りらはまだ、
うたを歌うとき以外は、言葉が自由に出てこなかった。
いつから言葉を失ってしまったのだろう、
話したい事や、言いたいことが次第に満ちてゆくのに、
他の子たちのように言葉を出せない。
自分のもどかしさに、
時々、息を荒らして喉元を抑えた。
話したい言葉が、口から出てこない。
唇が動かない。
歌う時以外はー。
涙をいっぱいに貯めて、溢れる涙だけが、
りらのこころの内を吐き出しているようだった。
始め、遠くから眺めていた、施設の他の子供たちの動きにも、
少しずつ距離を縮め、近くまで入るようになっていた。
それでも、他の子たちのように、物の貸し借りをすることはできず、
大資の読む、読み聞かせの中にいて、他の子たちの笑うのを見て、
自分も笑ってみたり、
自分もその中で読んでほしい本を持って行くけども、
渡すことのできなかった本を、戻って来て塚本に渡した。
塚本としては、
自分だけでなく、施設の子たちと一緒にいて話せるようになってほしかったが、
りらはまだ、
うたを歌うとき以外は、言葉が自由に出てこなかった。
いつから言葉を失ってしまったのだろう、
話したい事や、言いたいことが次第に満ちてゆくのに、
他の子たちのように言葉を出せない。
自分のもどかしさに、
時々、息を荒らして喉元を抑えた。
話したい言葉が、口から出てこない。
唇が動かない。
歌う時以外はー。
涙をいっぱいに貯めて、溢れる涙だけが、
りらのこころの内を吐き出しているようだった。
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