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白い天使のうた (22 完)

[652]  宮平マリノ  2010-01-09投稿
誰ひとりとして、
自分の存在を否定する子供たちは、もう、
その施設にはいなかった。

自分にしか出来ないことがある。

すでに見つけた子供たちもいれば、
まだ見つけていないことに、むしろこれからやってくることに、
更なる期待を膨らませる、
そんなワクワクとした息がそこに溢れていた。


「生きていてよかったな、て最近つくづく思いますよ。
これだけ毎日、子供たちの変化を見ていくことができて。
たった一人でもいい、誰か僕のような子供の変化を見たい。
そう思っていましたが、今は一人なんてとんでもない、
すべての子供の変化を、見たいくらいです。」

嬉々とした大資の横顔からは、
もはや、初めの時の言葉は影もなくなっていた。

「本人が大きく変わっているということに、
このお兄さんは気付いているのかな。」

そう言って笑う塚本の心もまた一つ、
ほっとした、大きな安堵に満ちていた。


『神様は、全てのことを働かせて、益としてくださる。』

最後に大資に手渡したポストカードには、
そう書いてあった。




※今まで読んで下さり、
ありがとうございました。また次回作も、出てくること、お楽しみにお待ちください♪



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