携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 学園物 >> イズコノキオク

イズコノキオク

[624]  春風遥  2010-01-22投稿
あの事故から二年が経った。
そう、それは沙原光哉が進学校私立時浜高校に入学したての帰りの道中だった。
偏差値38のこの俺が全くの独力で偏差値62の時浜にやっとこさ入学できたと思ったらこの有様だ。なぜ偏差値を62まで上げてまで時浜に入ったかというと理由は簡単で家から徒歩5分だからだ。
そのたった5分の道のりで俺は記憶を失った。
なぜ記憶が失ったのに二年前のことなんて覚えてるか、それは天才一家の沙原家の唯一のバカが、入学試験で本領発揮ときたものだ。そのかいあってか半年ぐらいは好きな飯食い放題、あのコウがあのコウがって言われてりゃあ嫌でも耳につく。
記憶が失った理由は車に跳ねられ頭打ったとか、今までやってなかった勉強をリミッターを外してまでやったことで知恵熱おかして記憶が吹っ飛んだとか、野犬に噛まれた恐怖でとか、食い過ぎでとか噂は様々だ。

まぁそんなわけでそれ以外の記憶がないまま三度目の春が来てしまったっという訳だ(当人の記憶では最近二回の春しか鮮明に思い出せないが…)。
高校三年生、「次の受験は俺たちだ〜」っとか気合い入ってるのが大半で、あとの少人数は自分の人生ご勝手に状態でチャランポランな奴ら。
「コウ、この問二教えてくれよ。」
早見恭介、こいつも頭は悪くないが俺よりは良くはない。それで結構俺を妬んでくるが根はいい奴…だと信じてる。
「ああ、そこは―」
とまぁそんなわけで俺は学年トップで全国模試の10位以内の常連。
記憶では受験前にちょちょってやって受かったばっかりに、水準は変わってないバカな筈なんだが、なんだが記憶を失ってからというもの頭が格段に良くなったらしい。今では、あの全国でも名をはせている東仙大学にいけるまでだとか。この俺でも聞いたことある大学名だ。
「―ってなるからこうなる訳だよ。」
「すげぇ〜、さっすがコウの旦那やるね〜。」
「旦那って…。」
「こんな出来んのになんで大学行く気ないんだよ。」
「まぁ…ねぇ。」
そう、別に俺は受験組という訳じゃない。
「これからどうしよっかな〜。」
「だから東仙行けって!」
「えっ俺が?実感沸かないな〜。」
「今更かよ。」
そう言って恭介は笑っていたがそこには羨望の眼差しというか、行き過ぎた殺気を感じた。
「は…はは…。」
曖昧に笑っておくことにする。

感想

感想はありません。

「 春風遥 」の携帯小説

学園物の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス