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永久に§7§

[419]  夏姫  2010-01-26投稿
「じゃあ2本目、いくか。」

「や、やだよぉ〜。ねぇ、サイ。もういいじゃんかぁ。」

今にも泣き出しそうな顔をしてサイを見つめる私。
サイは目をそらし、満面の笑みを浮かべてDVDを入れかえている。

「大丈夫だって。今度は前に行けっ。」

にっこり笑ってとんでもない事を言う。
私を殺す気ですか、この人は。

「サイの馬鹿。鬼。」

そうやってぶつぶつ文句を言っていると、サイがコタツに入って後ろから優しく抱きしめた。

「きゃっ。…サイ?」

私の横顔に顔をのせてくる。
サイの温もりが、心地いい。
私は何とも言えない安心感に包まれた。
…DVDが始まるまでは。


「…さて、俺は寝っから。後は一人で見てな。こっち来る時はそれを止めて来てね。」

突然そんな事を言われたので、私はびっくりして何も言えなくなってしまった。
一人でホラー系を見れないのは話してあったのに…。


そんなこんなで10分後、私はついにDVDを見ていられなくなり、サイの眠っている部屋に入っていった。

「…眠っているの?」

小さな声で呟く。
サイの目がパチッと開く。

「…起きてたんだ。」

「寝れるわけねーべ。隣がうるさくて。」

ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべるサイ。
私はぷっと頬を膨らませて、サイの隣に座った。

「…寒いなら入ればいいべ。」

私の袖を軽く引っ張って布団の中に入れようとする。
そんなサイが可愛くて、微笑みを浮かべて私は中に入った。

「何をしたらこんなに冷たくなるのや。」

ぎゅっと少し強い力で抱きしめられる。
私の目にはサイの顔が間近に映った。

「…冷え症なんでね。」

そう言って、私も少し力を入れてサイを抱きしめ返す。


Chu...

甘い音が、狭い和室に響いた。

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