クリスタルクラッシュ1―?
｢種を蒔いて、収穫して…同じ事の繰り返しではあったけど、飽きる事は無かったな｣
ザックはそう呟いて、慣れ親しんだ土の匂いを嗅いだ。
人間が食す物は一部を除いてほとんど土からくる、といっても過言ではない。
その土の匂いは正に人間を育む為のものであり、貴重なものでもあった。
｢立て札だ｣
しばらく歩いていくと、立て札らしきものが見えた。
｢ええと…この先西へ二里先、エリム村か…夕方までには着きそうだな｣
ザックは一つ小さく頷いて、太陽を見た。
｢よし、こっちだな｣
太陽が傾いている場所を特定して、彼はそちらの方向に歩き始めた。
カシアス国王都アギウス。
帝国から独立を回復した後、そこは戦争で大きく疲弊していたが、五十年という歳月をかけて大陸屈指の王都と呼ばれるようになった。
それには現在の王の前、エクリプス王の功績に依る所が大きい。
人々はその王を大いに敬い、賢王として崇めていた。
その王都アギウスの中央にあるのが、トライス城でと呼ばれる王の住まう城であった。
その城の中で、王冠を頭に着けた男が眉間にしわを寄せながら、首を横に振っていた。
｢まだあれは見つからんのか？｣
｢申し訳ございません｣
その男の傍で畏まっている屈強な体を鎧で覆った男は、小さく頭を下げた。
｢全く…賞金を倍額にしたというのに…｣
困った事よ、と呟いて、男は王冠を外して頭を掻いた。
ザックはそう呟いて、慣れ親しんだ土の匂いを嗅いだ。
人間が食す物は一部を除いてほとんど土からくる、といっても過言ではない。
その土の匂いは正に人間を育む為のものであり、貴重なものでもあった。
｢立て札だ｣
しばらく歩いていくと、立て札らしきものが見えた。
｢ええと…この先西へ二里先、エリム村か…夕方までには着きそうだな｣
ザックは一つ小さく頷いて、太陽を見た。
｢よし、こっちだな｣
太陽が傾いている場所を特定して、彼はそちらの方向に歩き始めた。
カシアス国王都アギウス。
帝国から独立を回復した後、そこは戦争で大きく疲弊していたが、五十年という歳月をかけて大陸屈指の王都と呼ばれるようになった。
それには現在の王の前、エクリプス王の功績に依る所が大きい。
人々はその王を大いに敬い、賢王として崇めていた。
その王都アギウスの中央にあるのが、トライス城でと呼ばれる王の住まう城であった。
その城の中で、王冠を頭に着けた男が眉間にしわを寄せながら、首を横に振っていた。
｢まだあれは見つからんのか？｣
｢申し訳ございません｣
その男の傍で畏まっている屈強な体を鎧で覆った男は、小さく頭を下げた。
｢全く…賞金を倍額にしたというのに…｣
困った事よ、と呟いて、男は王冠を外して頭を掻いた。
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- クリスタルクラッシュ11―14
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