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夏と雪

[665]  吉川祐護  2010-02-05投稿
…何か言ってる。
聞こえないっていうか聞く訳がない。
笑いが止まらない
命乞い? 説得? つまらねぇな
『死ねよ、ばーか』……
――この世の中は最悪だなぁと、夏目はニュースを見て、そう思っていた。
ニュースでは連続殺人事件の報道をしていた。
どうやら6人目の被害者がでたらしい。
夏目は、テレビを消し家を出た。
向かう先は、学校である今日は土曜日なので普通の生徒は休みなのだが、夏目は教師に呼び出されたのだった。

呼び出された理由は簡単。
喧嘩である。
上級生4人と喧嘩し、3人を病院送りにしたことだろう
良くて停学、悪くて退学だろうなぁと思いながら目的地に到着
夏目は腕時計を確認し、予定よりも1時間速かったので時間潰しにぶらぶらする事にした。

『お〜い 夏目〜』とグランドから走って夏目の方にやって来たのは、夏目と同じクラスの一条だった。

『よう どうした?』
『夏目! お前知ってるか?』と一条はいきなりの質問。
『何を?』
『ほら!テレビやってるじゃん 連続殺人だよ!』
『あぁ あの事件か、それがどうかしたのか?』と夏目はあまり興味はないがとりあえず一条に聞いてみる。
すると一条は興奮しながら言ってきた。
『今日のニュースで報道された被害者って、うちの学校の生徒らしいぜ!』
『へぇ それでどうしてそんな事お前が知ってるんだ?』と夏目は質問。
すると一条は、よく聞いてくれたと言わんばかりの表情をしていた。
『実はな 俺の親父がこの事件の担当を任されてな、親父からおしえてもらったと言う訳だ!』と自慢気に一条は言った。
……自慢する事ではないような気がすると内心苦笑しながら夏目はそう思った。

『ところで一条…………』と言ったところで夏目の頭に衝撃が走った。

生徒指導の坂本に叩かれたのだった。
『くぉら 夏目はやく来い!』

夏目は一条に別れをつげてしぶしぶ指導室に向かった。

『失礼しました。』と夏目は指導室から大量の紙を抱えて、出てきた。
処罰は停学でも退学でもなかった。
レポート用紙30枚分の反省文を書くことでよしと言う事だった。

これなら停学の方がまだましだ!と思いながら夏目は、家に帰るのであった。

これからおこる事件に巻き込まれるとは知らずに!

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