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アルカロイド

[519]  となりのトトりん  2010-02-05投稿
屑を纏い身を捩じらせ

 胸を掻きむしる


隙間から覗く
曖昧な展示品(おもちゃ)は

狂おしく…

苦おしく…


切々と願う君の手首
神に祈る両手は
美しく艶やかに
交錯している

冷たい風に捲き上げられた
砂塵の声と
打たれる葉の悶え

そして淡い血色の僕の中
打ち寄せる砂と幾億のモルモット
私を静かにさせるアルカロイドの結晶

苦く…
甘く…
切なく…

広げる煉瓦の砂と
幾億の奴隷達

私を高揚させる奇形の恋
具眼も持ち合わせていた
     私という中の遊女
糸に吊るされた偶儡

 使われたアルカロイド
意味を持たない中身

 奴隷を恋する私
吊るされ続けた首も
そこでは

苦くも
甘くも
切なくもあり

臭い屑を身から切り離そうとする
     私という中の奴隷
そっと恋をする
隠れるように恋をする
私の中身に恋をする
私という遊女に恋をする
私のアルカロイドに恋をする
私という時の奴隷に恋をする
私の詩劇に恋をする

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