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子どもは、家を、選べない〜その21〜

[609]  真理康子  2010-02-05投稿
そして、結衣子にとっても不自由になっていく過程に、千鶴子と房子が、現実に正気でなくなってきていたことがある。

人づてに、房子が、酔っぱらって、散々、世の中を呪うような醜態を方々 で晒していると聞いた。
おそらく、綺麗な飲み方ではないだろう。

房子が飲み屋から帰ってくると、異臭を放っていた。

本人は、ぐだを巻いて周囲に迷惑をかけては眠りこけ、更なる迷惑をかけては平気で帰宅するが、店も、近くにいた人間もたまったものではない。
中には、家に怒鳴り込んでくる店主もいて、結衣子は、見に覚えのない恥じに対して頭を下げた。
房子は、若年性アルツハイマ―が始まっていた。

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