携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 詩・短歌・俳句 >> 浮上を待つ夜に

浮上を待つ夜に

[424]  となりのトトりん  2010-02-11投稿
夜半に落ちる銀の雫は
闇を吸い転がっている

闇に祭られた氷の人形は
眠るように瞼を閉じている

群青の氷は
闇を溶かすように
啜り泣く

ステンドグラスに描かれた
無邪気で惨酷な仔猫と
廃れた憂鬱

幸せよ
こんな夜でも
降りてきてくれますか
闇を吸った雫を
舐めたとしても

幸せよ
こんな夜でも
降りてきてくれますか

時計の針を握る
無邪気さに
恋を信じたとしても

幸せよ
こんな夜にも
降りてきてくれますか

不浄を持つ夜だとしても
腐食した舌を
持ったとしても

幸せよ
こんな夜でも
降りてきてくれますか

浮上を待つ夜だとしても…

感想

感想はありません。

「 となりのトトりん 」の携帯小説

詩・短歌・俳句の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス