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悲しい唄

[364]  ブランキー  2010-02-25投稿
生まれ落ちた時
悲しみなんて背負って
いなかった。

勝手に刻んだ
十字の傷が
私の背中で疼いてる。

心の置場がないから
肉体から精神が
離れていく。

悲しい音は
雨垂れのように
水溜まりで
広がって消えた。

四肢を縛る鉄の鎖。
鉄の冷たさに
慣れていく皮膚感覚。

古びた教会の十字架に
巻き付いた植物。
罪に囚われて
いつの間にか
解けなくなった。

部屋中に乱雑した
数多の哲学書。
答えがまったく
見つからない。

肉体は時間をかけて
悲しみと共に
ゆっくり風化してゆく。

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