ブラインドの隙間から
月の蜜が流れ込み
冷たくなった部屋に
少しだけ温もりをくれた

孤独を感じた夜
彷徨う魂を探すように

くるりと回転(まわ)る輪郭を抱えた

自由を主張する者は
世界から異端児と見られ

爪の先に燈したほどの
仄暗(ほのくら)い光だけで
自分の影を
映すことしかできなかった

月の蜜を舐める

咽がひび割れてしまわないように…

自由を主張する者
咽を潤し
そして
　また声を出せ…
　
ブラインド隙間を
指で抉じ開けようと
必死になっている

この世界には
影の部分が多すぎるから

個性を主張する者は
奇異の目で見られ

遠く離れた場所からでも
言葉で殺されてしまう

魔法のような言葉に
私は囚われ続ける

そして救われ続ける

咽がひび割れぬように
月の蜜を舐めよう
咽を潤し
そして
　また声を出せ…

かたくなに閉ざされた
ブラインドの隙間を
抉じ開けるために…

感想はありません。

• 満足という名の浴槽に溺れて
• 寂恋と審理の秤
• 忘れてしまう悲しみよりも想い続ける悲しみを
• 黒を愛した弓張りの月
• alia
• 貴女の傍で枯れさせて
• 想い慕い祈ることも

もっと見る

• 「優しいキス」
• 回る、回る、回る
• 桜色のハート
• あまり立派では、分不相応
• 運命
• 良い子に成りたい
• ロボットになりたい

もっと見る