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いつもの場所で32

[466]  YOSI  2010-03-06投稿
「石川さん。質問していいですか?」
「ん?どんな?」
少し酒が入り、適度に酔い出した文子は、切り出した。
「あの…今の段階で、私をどの程度まで扱えます?」
「扱う?それって…」
「言い方がおかしいかもしれませんけど…」
文子は、少々ためらったが、思い切って切り出した。
「その…私を今以上の深い関係まで求めることが、可能ですか?」
(うわ…言っちゃったなあ…お酒のせいか、私もずいぶん思いきったなあ)
自分の言ったことに、少し後悔しつつも、文子は哲彦の返答を待った。
「それって、恋愛も含めて、肉体関係もってこと?俺は、まわりくどいこと言えないから、ストレートに聞くけどさ」 「そうです」
文子の即答に、哲彦は少々驚いたものの、今の時点で言えることを言った。
「俺はさ…今は言えないけど、トラウマがあってね。だから恋愛とゆうか、出会いについては、大事にしたいと思ってるよ。…だからってわけじゃないけど、そんな簡単に深い間柄ってわけには、いかないんだよね。…ましてや、仕事仲間の君に、あまり深いことを求めることもね。…こんなおじさんが、何をきれいごと言ってんの?と思うだろうけどさ」
哲彦の言っていることは、麻由や、かすみに対しても同じ気持ちである。
「…ごめん。もしかしたら期待外れの解答かもしれないけど。これで俺のことを嫌いになってくれても構わないし、新たな出会いがあったら、祝福するよ」
それを聞いて、文子は首を横に振った
「いえ…。ごめんなさい。正直、私今日は覚悟してたので…今までの恋愛が、そうだから。石川さん、もしも、もしもですよ」
「うん」
「石川さんの抱えている様々なことが解決したら、今以上先へ進めますか?」 「そりゃもちろん。例え、その段階で君が他の人を好きになっても、恨まないよ。君の気持ちが、俺にあるのなら…」
それを聞いて、文子は、眠りこんでしまった。(この人優しすぎるなあ。でも、この人の深い闇が気になるなあ)
哲彦は予定通り、女の後輩に来てもらい、送り届けた。
「かっこつけすぎかな…」と思いつつ、かすみにメールの返信をした。
「明後日なら…」

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