(ID:63709) - 携帯小説！(スマートフォン版)

真っ白で、どこまでも広い空間に、たくさんの猫がいた。
何百匹、いや何千匹もいるのかもしれない。
その猫達がドーナッツ状に集まっていて、そして全部の猫がその中心に向かい、ちょこんと座っていた。
猫達が見詰める中心には、椅子に座った一人の男がいた。
かなりがっしりとした体つきで、長い金髪の巻き髪に、やはり金髪の豊かな髭を生やした男で、白いベールのような物に身を包んでいた。
やがて猫達の輪の中から、一匹の猫がちょこちょこと男の前に歩み寄っていった。
ビチ丸だった。
男は手でビチ丸を抱き上げると、その膝の上にそっと置いた。
ビチ丸は膝の上に座り、男を見上げていた。
男がその手でビチ丸の顔を覆った。
そして男が手をどけると、あれだけびちゃびちゃで目ヤニだらけだったビチ丸の目が、綺麗に治っていた。
男がビチ丸の頭を優しく撫でると、ビチ丸は嬉しそうにゴロゴロといった。
そこで私は初めて理解した。
ここにいる猫達は、きっと今日死んだ世界中の猫達なのだと。
そしてこの男は、猫の神様なのだと。
そこで私は目が覚めた。

私は神様を信じない。
すべての宗教や神仏を信じない。
私は完全な無神論者だ。

でも、猫の神様だけは信じたい。

36318：あまりに素敵な作品だったから、まこさんに紹介をしました [2011-01-16]
36319：さんちゃん [2011-01-16]
36332：とても面白いです！ [2011-01-16]
36356：さんちゃんさん、ありがとうございました?沙緒 [2011-01-16]
36361：翔：私もさんちゃんの紹介で読ませていただきました。 [2011-01-16]
36362：翔：優しい飼い主さんが与えてくれた、ビチ丸の八年間の生涯の [2011-01-16]
36363：翔：お礼に…ビチ丸が見させてくれた夢なのかも知れないですね。 [2011-01-16]
36364：翔：素敵な作品ありがとうございました。とても感動しました。 [2011-01-16]
36406：何度読んでも素敵な作品です☆さんちゃん [2011-01-16]
36444：翔さん、ありがとうございます?沙緒 [2011-01-16]
36882：さんちゃんの紹介で読ませて頂きました。共感出来る内容で、 [2011-01-16]
36883：感動しました。私は現在、雌犬を飼っているのですが、この子は [2011-01-16]
36884：家を不在にする事が多い飼い主に、屋根の無いケージの中で [2011-01-16]
36885：飼われ、散歩もしてもらえず、餌ももらえず、雨の日には、 [2011-01-16]
36886：ずぶ濡れでブルブル震えていました。ケージの中でうんこまみれに [2011-01-16]
36887：なっているところを連れて帰りました。体の弱い子で、うんちを [2011-01-16]
36888：うまく出す事が出来ず、度々、獣医さんにお世話になりました。 [2011-01-16]
36889：最低一時間半、長い時は三時間掛けて散歩へ行き、最近ようやく [2011-01-16]
36890：自力でうんちを出せるようになりました。この子は私にとって [2011-01-16]
36891：大切な家族です。ビチ丸ちゃんは、沙緒さんに飼われて、幸せ [2011-01-16]
36892：だったでしょう。そして沙緒さんも。神様はいます。 [2011-01-16]
36893：ビチ丸ちゃんと沙緒さんを巡り会わせてくださったのは、 [2011-01-16]
36894：神様かもしれませんね。いいお話をありがとうございました。麻呂 [2011-01-16]
36915：麻呂さん、ありがとうございます?沙緒 [2011-01-16]
36924：私こそ素晴らしいお話に感動しました。沙緒さんありがとう！麻呂 [2011-01-16]

にゃんこの神様（後）

感想

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