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肌とねこ13

[336]  KSKくま  2010-03-19投稿
復讐劇を始める前に、今関の出方を種々の方法で確める。

計画その1
金銭的圧迫
会社帰りに高価な品物を購入させる。
百万円という大金を捻出した後に、更なる追い討ちをかける。
とは言うものの、一気にまくし立てるのも良くないので、十万円程度の買い物をすることにした。

何も言わなくても、今関は社外で待っていた。その態度は二人の間に何も起こらなかったが如く。
反対に、私は苛ついたのと同時にあの記憶がフラッシュバックした。
一瞬、過呼吸を起こしそうになったが、どうにか耐えた。

今関を無視するように歩き出す。後ろから彼が付いてきた。
ここまでは予想通り。
しばらくして私は切り出した。
「バ、バッグが欲しいな」
思わずどもった。
恐怖感が先に立ったが、一度発した言葉は取り戻せない。
チラリと振り返ると今関と目があった。
死ぬほど焦った上に自責の念が湧いた。激昂されたらおしまいの状況だった。

「良いですよ。行きましょう」
今関は軽いノリで答えた。

『良いですよ。行きましょう』? 私は旅行鞄が欲しいと言っている訳じゃない! 本当に解ってんのか!
心の中で叫んだ。

結果
今関はニコニコしながら私が要求したブランドバッグをこともなげに購入した。
価格は119,800円だった。
会計でカードを差し出す今関の頭にはキックの爪痕がカサブタになって残っていた。
この様子から考えると金銭的圧迫はあまり通用しない。どんな仕事に就いてるのかは知らないが、生計には余裕があるらしい。
それよりも私が受ける精神的苦痛の方が大きかった。大切なお金を相手の誠意を計る為に使わせることに対して、私の良心は痛みまくった。


計画その2
肉体の酷使
前日の結果も踏まえて、今度はお金は出させないようにする。
今関に買い物を頼むことにした。
「すいません、今関さんこれ買ってきてくれません?」
買い物リストとお金を渡した。
もちろん相手は承諾して買いに行った。
20分して帰ってきた今関に対して、買い物リスト以外にも買ってきてもらいたいものがある事を伝えて、再び送り出した。
これを計三回繰り返させた。

結果
今関もばかじゃない。二回目で試されていることに気付いたらしい。
これもダメだった。

・・・つづく

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