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和を背負う。〜零〜

[514]  ボブ  2010-03-21投稿
「…って…待ってよ。」
「早くしろよ!もっと本気で走れよ!」
「そんなこと言われても僕は虎鉄と違って、足が早くないんだよ。」
2人の幼い子どもが町の外れにあるお寺の階段を駆け登る姿がある。
「竜二は完全に名前負けだな。」
と、言いながら足を止めて振り返り、自分のいる段より10はゆうに下にいる子どもに視線を落とした。
「虎鉄は…名前通りに…動物…みたいだね。」
竜二は膝に手を着き肩で息をしながら言い返した。
「あと少しだからがんばれ。」
虎鉄は心底疲れた様子がわかる竜二を見て励ましの言葉を送った。
それを聞いた竜二はふふって笑い、大きく息を吸い込みまた階段を上がりだした。
「着いた!!」
2人は階段を上り切り、神社の境内に足を入れた瞬間に両手を掲げ、叫ぶように言った。
「さすがの俺でもここの神社の階段はキツイのによくリタイヤしなかったな。」
あ〜疲れた。という顔をしながら竜二を見た。
「虎鉄とはいつでもライバルだから僕だけリタイヤなんてできないよ。」
「途中で泣きそうな顔してたのにな。」
竜二はニヤっとしながら虎鉄を見たが、ニヤニヤっとした虎鉄の変な笑いが返されてきた。
「虎鉄!殴るぞ!」
カッとした竜二が虎鉄に向かって拳を握り腕を上げた。
「ヤバイ!からかい過ぎた!」
心の中で虎鉄は叫びながら目をつむり両腕で頭を囲うように丸くなった。
バキ!!
「ぐっ!」
目をつぶっていた虎鉄は殴られたと思ったが、どこも痛い所は無かった。
それどこか一言も彼は言葉を発していないのだ。
「じゃー、今のはなんなんだ?」
おそるおそる目を開けると竜二がこちらに背を向けている。
何がどうなっているか分からず、竜二の見ている方へと俺も視線を送るとそこにはスーツ姿のイカツイ感じのオジサンが2人とスカジャンを着たまだ若そうな人が戦っていた。
「てめぇ!」
スーツの1人が勢いよくスカジャンの男に殴り掛かかったが、男は上手くかわしカウンターの右を顔に思い切り振り下ろした。
ゴス!
今まで聴いたことの無いリアルな音をたててスーツの男の頬に拳がめり込んでいる。
「クソが!」
もう1人のスーツの男が背後から襲い掛かるがスカジャンの男の振り向きざまのハイキック1発で顎を正確に打ち抜かれ糸が切れた人形の様に倒れた。

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