子どもは家を選べない〜その33〜
しだいに、結衣子は、祖父の施設訪問について行く時間をなくしていった。
たまらなく寂しいのではあるが、自分がもてはやされることで、自分の家族が周りの人々からチヤホヤされるのを喜んでいることを認識できると、その状況を保つように努力した方が良いのだろうと判断した。
学校においても、いわゆるトップグループの中にいて、そのメンバーの母親から、常に、どのような文章を書いたから表彰されたのかとか、親にどのようなことを教わったのか等を、常に聞かれた。
結衣子の母親も、そのグループの母親の仲間に入りたがったが、いかんせん、異性の関心をひくことばかりを考えているタイプの女性が同姓に受けるわけがない。
千鶴子は、自分の力では他人からチヤホヤされないことに苛立ちを覚えた。
さらに、結衣子をダシに、自分に興味を抱かせようとした夫のかつての音楽の師に結衣子の音楽の才能の相談を持ち掛けてみたところ、年端のいかない結衣子の美貌を褒めあげられ、いたくプライドが傷ついた。
千鶴子は、意地になって結衣子を高尚な師につけることをしなかった。
結衣子がトップグループの子どもの集いに招かれても、衣類を新調するでもなく、自分に小さくなったセーターを与えた。
それは、いろんな写真にとられ、ブランド品に身を固めた子どもの中で一風変わった服装の印象を与えた。
ただ、着手の結衣子が、どの写真においても堂々としているので、【そういった】ファッションであるかの印象でしかなかった。
一事が万事、結衣子の運命は、結衣子が切り開いていった。
その、堂々たる様が、内観出来れば生きていたくないような生きざまの千鶴子と房子に悔しい思いをさせていた。
結衣子に責任はないが、人間、どこで恨みの種をまいているか知れたものではない。
実に、子どもは家を選べない。
たまらなく寂しいのではあるが、自分がもてはやされることで、自分の家族が周りの人々からチヤホヤされるのを喜んでいることを認識できると、その状況を保つように努力した方が良いのだろうと判断した。
学校においても、いわゆるトップグループの中にいて、そのメンバーの母親から、常に、どのような文章を書いたから表彰されたのかとか、親にどのようなことを教わったのか等を、常に聞かれた。
結衣子の母親も、そのグループの母親の仲間に入りたがったが、いかんせん、異性の関心をひくことばかりを考えているタイプの女性が同姓に受けるわけがない。
千鶴子は、自分の力では他人からチヤホヤされないことに苛立ちを覚えた。
さらに、結衣子をダシに、自分に興味を抱かせようとした夫のかつての音楽の師に結衣子の音楽の才能の相談を持ち掛けてみたところ、年端のいかない結衣子の美貌を褒めあげられ、いたくプライドが傷ついた。
千鶴子は、意地になって結衣子を高尚な師につけることをしなかった。
結衣子がトップグループの子どもの集いに招かれても、衣類を新調するでもなく、自分に小さくなったセーターを与えた。
それは、いろんな写真にとられ、ブランド品に身を固めた子どもの中で一風変わった服装の印象を与えた。
ただ、着手の結衣子が、どの写真においても堂々としているので、【そういった】ファッションであるかの印象でしかなかった。
一事が万事、結衣子の運命は、結衣子が切り開いていった。
その、堂々たる様が、内観出来れば生きていたくないような生きざまの千鶴子と房子に悔しい思いをさせていた。
結衣子に責任はないが、人間、どこで恨みの種をまいているか知れたものではない。
実に、子どもは家を選べない。
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