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alone 9=それだけのことだ=

[327]  兼古 朝知  2010-03-24投稿


水鶴の真っ黒な髪は背中まで伸びており、茶色の瞳は冷たく、光を灯してはいなかった。黒服の上から着ている白のアウターは、血に濡れていた。

顔にも返り血がついているが、水鶴は気にする様子もなく平然としている。

「おま、え…何、してんだよ」

「部下を殺した。それだけのことだ」

「それだけってお前ッ」
晶が突っかかる。

「黙れ。敵に馴れ馴れしく話しかけるな」

水鶴は晶の言葉を遮り、刀の切っ先を晶に向ける。

その瞬間。

「水鶴様に近づく…な」

低く、冷淡な声が聞こえた。
直後、殺気を感じる。


――スパッ!!


「いッてぇ…!!」

何かが、晶の首を狙い刃物をふるった。晶は間一髪で避け、向かってきた刃物は首の薄皮を切り裂いた。

「…誰だ お前…?」

晶の問いに、ゆらりと晶の目の前に現れた、漆黒の衣装に身を包んだ少年は答えた。

「柊。柊 圭…だ」


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