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ユニゾンハーツ 19−2

[534]  ラスティ  2010-04-01投稿

誰もが困惑し、混乱していた。
何が起きているのか。

佐賀が一体、誰に殺されたのか。
姫野は一体、誰に殺されたのか。

それ以前に、二人は殺されたのだろうか、死んだのだろうか。
そこが達也には確信が持てなかった。

だが、ここにいる者たちは二人が死んだという前提で物事を考えている。
裕也でさえそうだからだ。

達也のように疑問を持った者はいない。

たしかに、ここに集まったメンバーは多分、強いのだろう。
裕也や柚姫の剣術を見れば、そこいらの殺人犯でも相手にならないだろう。

しかし……達也は思うのだ。

それは………。

馬鹿げた想像だろうか。
ありえない可能性なのだろうか。

だが皆無とはいえない。

このありえない可能性を裕也に話すべきだろうか。

いや……やめておこう。
少なくとも今は………。

証拠が少なすぎる、これでは裕也も納得してくれない。

考えていることに区切りを付けると達也は周りを見渡した。

食堂では先ほどから終わりの見えない議論が続いていた。

奈々
「もう、いい……」

奈々のその声で終わりの見えない議論に終止符を打った。

奈々
「あれこれ詮索しても真相は判らない。
明日になれば元老衆が来てくれる。それまでここに篭城する。」

一真
「篭城だぁ!?
ふざけんなっ!!だいたい、電話も通じねえ、携帯電話もダメ、どうしろってんだ!!」

緋山は奈々の言ったことに噛み付いた。
しかし、奈々はさらりとこう答えた。

奈々
「文句あるなら帰っていいよ。森の中を独りで歩いていく気があるならね」

一真
「ちっ……!」

緋山は大きく舌打ちすると口を閉ざした。

奈々
「みんな、班はこのままでいく。
篭城といってもすることは昨日と同じ。
交代で見張りを立てて建物を見張り、元老衆が来るのを待つ。
あと絶対に独りで行動しないこと……いい?」

奈々がそう言うと全員、曖昧な表情で頷いた。

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