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部屋 連詩

[466]  となりのトトりん  2010-04-08投稿
二人で過ごした小さな部屋を
見ないように通り過ぎ
隠れるように空を見る

細い道路から見える坂道を二人で歩いたり
買い物をしたり
飲みに行ったことも
まるで解けない魔法のように
くるくると私を縛る

周りの風景は何も変わらず
記憶だけはいつまでも夏のまま

暑い日にバイクで二人乗りして出かけたことも
風邪をひいた貴女を狭いロフトでしか休ませられなかったことも
そんな貴女へほくほくのたまごを入れた粥を作ったことも
まるで解けない魔法のように
くるくるくるくると私を縛る

最後に作ってくれたカレーをすべて食べれば良かったのに
喉を通らずに傷めてしまいました。

いつの間にか増えた貴女の物を片付けなくてはいけないのに
何も手につかずにアルバムだけをめくるだけ

あれから何年も経ったけど
記憶はいつでも鮮明に色をつけたまま
くるくると私を縛る鎖のように
両手と記憶を拘束している

周りの風景は何も変わらず
記憶だけはいつまでも夏のまま

消えない記憶は
消せない記憶となって
私の手足を拘束している

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